先日放送された日本テレビ『X秒後の新世界』(2025/11/25放送回)にて、当協会が取材協力いたしました。
今回の放送は、私たち協会にとっても、そして全国のシチュー愛好家にとっても意義のある、長尺(19分28秒)の放送内容でした。
テーマは「言われてみれば確かに気になる クリームシチューはなぜ基本家でしか食べないのか?」
番組では、飲食店側の事情や、クリームシチューが持つ独自の歴史的背景から、その理由が検証されました。
1. 人気の高さと提供店の少なさ
番組では、まず現状を示すデータが紹介されました。
「寒い時期に食べたい料理ランキング」では4位となり、根強い人気がある一方で、番組が調査した都内の飲食店では「20軒中0軒」が提供していないという結果でした。
また、当協会の調査においても、「全国の飲食店で50軒に1軒程度」という提供状況となっています。
家庭での人気に対し、外食での提供が少ない現状が改めて浮き彫りになりました。

2. 飲食店が提供を避ける背景
番組によるプロの料理人への取材では、飲食店がメニューに加えにくい理由が挙げられました。
理由①:品質管理の難しさ
ホワイトソースは温度変化や時間の経過に敏感で、「味が落ちやすく、劣化しやすい」という特性があります。
理由②:オペレーションの問題
作り置きが難しく、「その日に作ってその日に出しきる」必要があるため、飲食店としてはコストや手間の面で管理が難しいメニューとなります。
理由③:独自性が出しにくい
日本洋食協会会長の岩本氏は、アレンジの幅が狭く、店ごとの個性を表現しにくい料理であると指摘しています。
ただ、日本クリームシチュー普及協会としては、チキンステーキや牛タンにクリームシチューを添えるなど、メインの具材を工夫して食べ応えと個性を両立している店舗も確認できているため、一概に「店ごとの個性を表現しにくい」とは言えないと考えています。
3. 普及の歴史と「家庭の味」としての定着
技術的な側面に加え、クリームシチュー独自の普及の歴史も影響しています。
クリームシチューは、レストランではなく「学校給食」から家庭へと広まった料理です。
さらに、ハウス食品様などによるルウの開発・普及により、家庭で手軽に安定した味が作れるようになりました。
街頭インタビューでは、市販のルウで作る味について「あれで完成されている」という意見も聞かれました。
家庭で簡単に美味しいものが作れるため、わざわざ外食で食べる動機が薄くなっていると考えられます。
4. プロの料理人による調理検証
番組の後半では、プロの料理人が作ったクリームシチューと、一般的な作り方の比較検証が行われました。ミシュラン掲載店のシェフが調理を行いましたが、結果、市販のルウの方が獲得票数が多いという結果になりました。
クリームシチューにおいては、プロの技術よるおいしさよりも、食べ慣れた家庭の味が求められていることが示唆されました。
まとめ
今回の放送を通じて、クリームシチューが「家庭料理」として確固たる地位を築いていることが改めて確認できました。
一方で、手間をかけて提供を続けている飲食店も少数ながら存在します。東京・新宿の「レストランはやしや」などがその一例として紹介されました。



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